障害者への対応(トイレ編) ・経緯 正月明けに一本の電話がかかってきました。おばあちゃんが足(の付け根の辺り)を骨折したので車椅子生活になりそうだ。トイレや洗面までの通路の段差を無くして欲しい。早速、伺って話を聞いたところ、通路を広げることは難しく、部屋の隣の縁側にトイレと洗面スペースを設けることになりました。老人の骨折は程度にも寄りますが、現状維持や回復を想定して中途半端な工事をするのではなく、進行する場合を想定し、さらに介護される側と介護する側のことを考えて計画する必要があると思います。 実際に行なった事例です。着工前。
・問題点 1.通路巾をたとえば80cmとったとしても、車椅子では通過ことはできるが、回転することが出来ない。 2.既存の洗面台はボール(水を受ける部分)の下に収納があり、車椅子では膝が邪魔になって手が届かない。 3.介護が必要になった場合、トイレ等に介護者のスペースが必要である。 ・計画 ・ポイント 1.この縁側は家全体からして家族以外の人が入ってくることが少ないことから、縁側を広げて間仕切を作らず、カーテンで仕切るという形を取りました。90cmの縁側から60cm広げ壁の内法で1.4mとってあります。トイレに行こうとした時便器の先端の方へ向って進み、手摺につかまって立ち上がり90度回転して腰を落とします。これが、便器正面からのアプローチになると、身体を180度回転させなければいけませんので、横からのアプローチがベターです。
・今後の課題 照明器具のスイッチについて、まだ結論が出ていないことがあります。センサー式で照明がつくものがありますが、照射時間が5分程度までとなっていると思います。健常者が使用する時間の約3倍はかかるのではないか?ということと、老人は電気が消えたことに対して、センサーの意味が理解できるか?ということです。停電ではないか?と考えたときに無理して動かないで、停電が直るまでジッとしていよう。と思う方はいるのではないでしょうか?しかし、スイッチ自体、力を必要としないで入り切り出来るスイッチはあるのですが、設置場所によっては不便になることもあります。これは、対象となる人によってマチマチだと思いますが、これだ!といったやり方が無いかと今研究中です。 ’02.1.31 |