1階に炉を切る場合は比較的楽なのですが、今回は2階に炉を切ろうとしています。

建物の骨組みである柱や梁は、茶席の構成とは関係なく存在していますので、床をめくった段階で右の写真のように炉壇のつばの部分が当たることが判明しました。
このままで梁の欠き取りをしない場合、炉壇の縁の部分の厚みだけ床面が上がってきます。当初は陶器の炉壇を考えていましたが、つばの厚みが厚いのでその分梁の欠損が大きくなってしまいますので、急遽、鉄の炉壇に変更しました。それでも、梁の上部2センチほど欠き込むことになってしまいました。
(梁の断面を欠くことがあった場合は補強が必要です。)


また、天井の懐(1階天井面から2階床までの距離)は約50センチありましたので、炉壇が入ります。
家によってはこの懐が少なく炉壇が入りきらないところもありますが、私の知っているところでは1階の天井に四角い箱がくっついているのを見たことがあります。
また、電熱器を使うのであれば25センチぐらいの懐でも入れられます。

もし、2階に炉を切ろうとした時、最低限工事にかかる前にこの2点を確認しておかないと炉は切れません。
炉を切る
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2階に炉を切る場合には耐火の面も考えなければなりません。
写真の場合は特殊な例とお考えください。本来は45センチ程度の全体の開口があってそこに炉壇を置くようにしますが、写真のように梁がありますので、鉄の炉壇専用の作り方をしています。また、落としの部分にはケイカル板を張り安全を加えて底の部分にはALC板を敷きました。
ここに鉄の炉壇を落とし込みます。