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平面構成
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完成&工事費の検証
現代的水屋

このページをつくるにあたって

茶室なんて夢のようなもので、大変高価であると思われている方が沢山いらっしゃると思います。
また、沢山決まりごとがあってよく分からない上に、誰に聞いても「難しいよ。」や「決まりが沢山あるから大変だよ。」という返事が真っ先に帰ってきます。
私もその一人でした。
たまたま建築業を営んでおりますので、どれくらい難しいのか?どれくらい高価なものなのか?検証してみましたのでレポートします。
今回の場合、茶室と表現せず、茶席としております。本来の茶室を目的とした空間を作ろうとしますと新しくつくる必要がありますが、それでは庶民的ではないので、既存で存在している畳の部屋を改造して、お茶の出来る最低限の空間を作ることを目的としています。
上記メニューからご覧ください。

事後の雑感

お客様に提供するには経験が必要と思い、始めた工事ですが、単純に建築の経験だけでは造れないことが十分に理解できました。
大工にとっても同じです。現在の一般の建築の標準や普通というものと茶室とは違っていますし、それを図面や素人の言葉だけではかなり難しいでしょう。
結論のように、今回の工事金額は算出されますが同じ金額で他のだれでもができるのか?
経験が無ければ釘一本も打てないでしょう。
また、「教えてくれれば出来る」といわれる人はいると思いますが、教えてもらわなければ出来ないですし、教えてもらっていないことは一般のやり方でやってしまうということになります。

また、建築で専門用語があるように茶道でも専門用語はありますし、茶道の場合普段の稽古の際に理屈や理由は後から学んでいく事が多い中でどれだけ施主と大工がコミュニケーションを取れるのかが疑問に残ります。
多分、同じ日本語を話しているのに意思の疎通ができないのではないでしょうか。
そんな状態はずいぶん昔からあったことと思いますが、現存する茶室ですばらしいものは沢山あります。先人の方々も大変苦労されたことと思いますし、私たちのような元請の立場の者が良きまとめ役になる必要を感じました。

実は今の段階ではこの茶席は完成していません。各種釘を打っていないところがあります。現在は無双釘の高さを検討中です。関係書物には寸法が記載されていますが、その茶室とは床の間の巾が違う、天井高が違う、框の高さが違う・・・となると同じ数値の位置では打てない。実際に過去の有名な茶室の無双釘の高さは似た数字ですが15センチ程度のバラツキがあります。そんなときにあなたならどこに打つでしょうか?平均値をとるのでしょうか?全体のバランスを見て打つのでしょうか? これが、平面構成のページで書きました。図面や理屈では出来ない、ということです。

釘一つでも悩む種になりますが、続いては水屋の機能的改造をしたいと思っています。現在の茶室の水屋で丸炉や水屋瓶等々しつらえてある所を見ますが、実際に席を動かそうとするとそれだけでは(スペース的にも)足りない気がしています。
現代的なのお茶室といったものが雑誌等にも取り上げられますが、現代的な水屋はまだ出てきていないと思います。(すでにありましたら、お知らせください。)
現代の使い勝手を考えた水屋を日本で最初に造ってみたいなぁ・・・。もちろん、お茶事を考えた上の小間の茶席の水屋になります。

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(株)田口組
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