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200年住宅の物理的要件

このページをつくるにあたって

200年住宅という言葉がきかれるようになりました。工事業者としてふと思うことがあり、いろいろ考えることをまとめていこうと思っています。
ただ、このページは200年住宅の構想を否定しようというものではありません。
まちづくりにおいてもさまざまな理想や構想を現実的なもの(単なる販売目的のためのキーワードにならないように)していく為に考えていこうというものです。


200年住宅とはなんだろう?

単純に200年住宅と聞くと200年もつ住宅だろうということは容易に伺えますが、素人目に見ても住宅のさまざまな部分まで、すべてが200年もつわけが無いと思われるでしょう。
まさにその通りで、自由民主党政府調査会の200年住宅のビジョンにもうたわれています。
1.超長期間にわたって循環利用できる質の高い住宅ストックを形成すること
住宅のすべてが200年もつのではなく、骨組み等が200年もって、他の部分はある程度の期間をおいて直されることとしています。


「日本の住宅は平均30年で建て替えられる(=耐久性がない?)しかし、うちの会社の工法は大丈夫」という言葉を真っ先に言う企業はどうかとおもいます。
6ページ目の、滅失住宅の平均築後年数は約30年でありという言葉には注意書きがあります。
最近5ヵ年に滅失した住宅の築後経過年数を平均した値。新築住宅の平均寿命とは異なる。とかいてあります。
もしあなたが生まれたときに、親が家を新築したとして、30歳の時に住めなくなって建替えが必要になる住宅ってどうなのでしょう?
30年の期間にはきっと、給水管を直していると思います。30年前の配管は鉄管に手で防食テープを巻いたものが多く、鉄の腐食によって漏水が見つかり、それに伴い内装をリフォームということがあったと思います。
屋根の葺き替えもしていると思います。屋根のトタンが錆びてきて最初は塗り替えしていたけれど、良い材質のトタンが出てきたので葺き替えをしたということもあるでしょう。
子供部屋が必要になって増築したということもあるでしょう。
シロアリが入ってきたとか、洪水にあってしまったとか・・・・・。
それらの原因は何だ?と考えて見ましょう。
・材料の耐久性の問題
 上記の場合では、柱・梁などの劣化ではなく、外部に面している部材の紫外線劣化、地中に接している部分の腐食が上げられます。
・家庭環境の変化
 家族が増えることで部屋数が足りないなど。
・災害
 地震、火災、水害、害虫などによる影響。
手抜き工事と呼ばれる施工不良を除いて、多くが上記の原因によるものではないでしょうか?

すると、柱を太くする、耐震性を高めること=将来的に建物にかける金額が抑えられる、ではないのではないか?と考えられます。
200年住宅構想もメンテナンスを定期的に、と言っています。
(ですので先に書きました、柱を太くすること、耐震性を高めることだけを宣伝文句としている企業はどうなのだろう?ということになります。もちろん、既存住宅の耐震性は、基準に則って補強が必要です。)
新築の場合、耐震基準に則って作られますので、今建築確認申請が降りた建物は200年住宅なの?ということになってしまいます。>more


200年住宅の要件

新築住宅の場合、構造要件が現在の建築基準法を満たすだけでは足りないとなると、建築基準法の改正につながってしまいますので、構造強度・耐震性は建築基準法を満たすことでOKとしたとき、他に必要な要件は何か考えます。

構造躯体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)の分離
住宅に住まわれる方の家族の環境の変化によって、低コストでリフォームが可能になることを目標としているようです。
建物の寿命が来ないうちに、住む側の必要性に答えられないので、建替えることは少なくありませんが、この際の負担をスケルトンとインフィルに分けることで低減できないかとしています。
全体は建替えなくて、構造躯体だけ残して内装などをリフォームするだけで対応できないだろうか?としています。

2×4工法は壁で躯体として強度を出しているので、比較的リフォームがやりずらいです。すると、2×4住宅は200年住宅には向かないことになってしまいます。
しかし、アメリカの滅失住宅の平均築後年数は約55年と、住宅ビジョンの中の報告にあります。これによっても、工法の選択が200年住宅の目標とすることでは無いとも言えます。
(建物の耐久性は構造の耐久性と違うのでは?別の要因があるのでは?>more


「まとめ」にならない「まとめ」

まとめにならないことを書くのか?
私も200年後のことは分かりません。
200年先に今の考えが伝わったとしても、その時代では否定されるかもしれませんし、もっと頻繁に地震が起きたら耐震基準が変更され建て直しを強いられるかもしれません。
と、上記によって200年住宅など出来ないんじゃないの?と思われそうですが、理論的には可能だと思います。ただし、200年住宅が単なる宣伝文句になってしまった段階で、意味が無くなることでしょう。

200年住宅は今のあなたの為にある住宅ではなく、次世代の為に何を残すか?が「キー」になってきます。
当社でも、検討をして200年もつ住宅も考えております。>more
検討するにあたって、これをやると200年住宅になるといったことより、これでは200年住宅にならないといったことのほうが圧倒的に多いことが分かりました。
200年住宅はハードだけの問題でなく、ソフトが大きく関わってきます。>more







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